ヴァシュロン コンスタンタン オートマチック フィレンツェ ステップケース Ref.6394 1964年前後 VACHERON CONSTANTIN AUTOMATIC FLORENCE STEPCASE REF.6394 WG Ca.1964

1960年代に製造されたフィレンツェケースRef.6394のご紹介です。

当時のヴァシュロンは3大時計ブランドの中でも年間の生産本数が最も少ないブランドでした。まずは何と言ってもケースの仕上げに驚かされます。鏡面仕上げとフィレンツェ仕上げがミックスされたステップケースになっており、鏡面とのコントラストがダイアルをケースサイズ以上に際立たせています。針は美しい山形のドルフィン針で長針の先端は風防に合わせてしっかりと曲げられています。針の1本1本は先端を磨き上げられており、ルーペで見ても息を呑む仕上がりです。

ムーブメントはルクルトベースのCal.K1017となっております。見えない部分にも手を抜かず細部に拘って作られています。ローターは18金製となっており、ローターベアリングは摩耗に耐えるためにルビーを使用するという採算度外視のムーブメントです。ジュネーブシールも取得しており制度に関しても一級品です。ローター音も通常の自動巻きとは異なる独特の音を奏でます。是非、店頭で聞いて頂きたい1本です。

ケースは大きな打痕などはなく、フィレンツェ仕上げもキレイに残っています。文字盤に経年劣化は見られますが1964年前後時計である点を考慮すると程度は良いかと思います。写真では撮影用のストラップが付いていますので、ご購入の時に初期のピンバックルが付いたジャンクロードペランかモレラートのストラップに交換します。年代の違う箱が付属します。熟練の職人が技術とプライドを持って仕上げた工芸品です。黄金期の作品は普段遣いにもコレクションにもお勧めです。(文:S)

※ご来店のお客様へ、こちらの時計は展示しておりません。ご検討のお客様はお声お掛けください。