セイコー グランドセイコー 6245-9001 62GS 後期モデル 1968年7月 GRAND SEIKO 62GS Ref.6245-9001 SS Ca.JUL.1968 2nd TYPE

グランドセイコーは実用時計の最高峰を目指し、高い精度、見やすさ、使いやすさ、耐久性といった腕時計本来の在り方を追求した日本が誇る技術の結晶とも言うべき時計です。キャリバーと伝統的な定番のデザインから細分化されているため、コレクション性が高く人気モデルはプレミア価格になっています。

GS初の自動巻モデルとして誕生した62GSは製造期間がとても短く、1966年から1968年までの僅かな期間に販売されました。高い品格と精度を感じさせる鋭敏なケースデザインにはベゼルがなく、ガラスから下へと流れ落ちるかのような急峻なサイドフォルムが特徴的なシルエットとなっています。角の立ったボックス型風防を直接ケースに固定し、可能な限り細く絞り込んだケースの上面を、多面カットでかん足の先端まで繋ぎ、その全てをザラツ研磨で歪みの無い鏡面にすることで、自動巻ムーブメントに由来する厚みをまるで鍛え抜いた筋肉のような独特の美しさへと昇華させています。その一方で、当時として使いやすいとされたコンパクトなサイズにまとめ、鋭敏な印象をもたらしています。

ムーブメントのCal. 6245Aはセイコー独自のGS規格をクリアしたもので、手巻き機能はオミットされ自動巻きのみとなっております。これはセイコーが独自開発した自動巻き機構である“マジックレバー”の巻き上げ効率の高さを象徴するもので、時間合わせ以外に使用しないリューズを4時位置に移動したこだわりのケースデザインからも見て取れる特徴です。

シルバーで統一されたシンプルな文字盤の状態は大変綺麗で、高級時計らしい上品なデザインと視認性や日付表示といった使いやすさを両立しております。裏蓋のメダリオンは獅子とGSロゴが存在し、こちらはGSロゴのため後期モデルになります。経年によりメダリオンが腐食しているものを散見しますが、この個体は驚くほど綺麗で、腐食どころか変色すら見られません。現在では見られない上品でスタイリッシュなデザインと実用性に優れた大変お勧めの国産時計です。