グランドセイコー 62GS Ref.6245-9001 1966年12月 前期モデル GRAND SEIKO 62GS Ref.6245-9001 YGP Ca.DEC.1966 1st TYPE

グランドセイコーは実用時計の最高峰を目指し、高い精度、見やすさ、使いやすさ、耐久性といった腕時計本来の在り方を追求した日本が誇る技術の結晶とも言うべき時計です。キャリバーと伝統的な定番のデザインから細分化されているため、コレクション性が高く人気モデルはプレミア価格になっています。GS初の自動巻モデルとして誕生した62GSは製造期間がとても短く、1966年から1968年までの僅かな期間に販売されました。初の自動巻きモデルで62セイコーマチッククロノメーターのキャリバーをブラッシュアップさせたもので、手巻の機能は無く、ロービート5.5振動の35石の自動巻となります。その後61GSのハイビートにとってかわり製造が終わります。

高い品格と精度を感じさせる鋭敏な2ピースケースのデザインにはベゼルが無く、ガラスから下へと流れ落ちるかのような急峻なサイドフォルムが特徴的なシルエットとなっています。角の立ったボックス型風防を直接ケースに固定し、単調なラインになるのを防ぐために可能な限り細く絞り込んだケースの上面を多面カットでかん足の先端まで繋ぎ、その全てをザラツ研磨で歪みの無い鏡面にすることで、自動巻ムーブメントに由来する厚みをまるで鍛え抜いた筋肉のような独特の美しさへと昇華させています。

その一方で、当時として使いやすいとされたコンパクトなサイズにまとめ、鋭敏な印象をもたらしています。そこに４時位置のリュウズが一段埋め込まれるタイプでそのラインを美しく演出しています。こうしたデザインは自動巻きになり、もう手巻の必要がないというアピールしたと思われます。

こちらは裏蓋に獅子のメダリオンがあることから金張りの前期モデルです。金張りモデルはザラツ研磨のエッジは無く滑らかな印象があります。ダイアルはシルバーのサンレイ、文字盤外周は一段下がり手が込んでいます。ドルフィン針の長針、短針の形状は現行のGSと同様厚みがあり美しい面取りが施されています。ケースは金張りの為過度なポリッシュを免れています。全体的に小キズはありますが致命的なダメージはありません。現行未使用の純正の型押しブラウンのレザーストラップと純正バックル付きです。(文:F 編集:Y)

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